ながら、6歳の息子の一過性チックが2ヶ月で治った話
幼稚園年長の冬。
ある日突然、やたらと肩をすくめて首を左右にかしげる動きをするようになった息子。
家族全員が「今日どうした!?」となるほど始まりは急で、明らかでした。
最初はそれがチックだとは思わず、「その動きやめなよ」とか「動きすぎ!」というような注意をしてしまいましたが、日に日にエスカレートする頻度に恐怖を感じる日々。
色々と調べたり、保育士の友人に相談したり、受診したり...
調べると、子供の頃にチックが出るのはよくあることでほとんどが1年以内に治るとのこと。
とはいえ、現在進行形でどんどん症状が悪化していく様子を見ていると本当に不安な毎日でした。
しかし、結果的に2ヶ月で嘘のように症状は消失!
息子の場合、決定的な原因があるようだったので体験談としてブログに残します。
そもそも幼児期にはチック症状が出やすい
チックとは、無意識にに突然出てしまう動きや声を癖のように繰り返してしまうものです。
幼児期〜小学生の年齢に多く見られるものの、ほとんどが1年以内に症状がなくなると言われていて、決して珍しいものではないようです。
実際に息子は好発年齢ど真ん中という感じで、どのサイトを見ても「気にしすぎないで長い目で経過観察」と書かれていることがほとんど。
幼児期の男の子によくあることだと頭では理解していても、実際に目の前で頻繁に症状が出ているのを見ると不安は隠しきれませんでした。
チックの種類はたくさんありますが、大きく分けると「運動チック」と「音声チック」に分かれます。
さらに、動きや音声がの持続時間が短いものを「単純性」、単純性チックよりも長く持続するものを「複雑性」と呼ばれます。
つまり、大きく分ければ
- 「単純性」の「運動チック」
- 「単純性」の「音声チック」
- 「複雑性」の「運動チック」
- 「複雑性」の「音声チック」
の4種類に分けることができるというわけです。
- 目をぎゅっと瞑ったり、目をパチパチさせるなどの不自然なまばたきをする
- 白目をむいたり目をぐるりと回す
- 鼻をヒクヒク動かす
- 口を歪める
- 首を振ったり、肩をすくめる(肩を上げる)
・・・など
単純性×音声チック
- 風邪症状があるはけではないのに咳払いをする
- 「アッ」とか「オッ」と突発的に声を出す
- 鼻や喉を鳴らす
・・・など
複雑性×運動チック
- やたらと人や物に触る
- ピョンピョン跳ぶ
- 臭いを嗅ぐ
- 同時に身体の色々な部分に症状が出る
・・・など
複雑性×音声チック
- 社会的に受け入れられにくい汚い言葉や恥ずかしい言葉を言ってしまう
・・・など
息子に現れたのは複雑性運動チック
一般的に、幼児期のチックには「単純性」のものが多くて一過性と言われます。
一方で、学童期以上になると「複雑性」のものが増えて、場合により長期に及ぶ可能性があるとのこと。
息子の場合、幼児期にもかかわらずいくつかの症状が同時に出ていました。
まず最初に違和感に気づいたのは「肩すくめ」
ピクっピクっと早い動きではなく、比較的ゆっくりした動きで、肩を片方ずつ上げ下げするイメージです。
それに伴って、上げた肩の方に首をかしげるので、とにかくクネクネしているように見える...
左右の肩の上げ下げを、3セットくらい連続でやっていました。
肩すくめについては、最初はふざけてるのかと思い、「それ何?何回もやらないで〜」と言ってしまってました。
でも本人は無意識にやっているので「何が?」と言う...
同様に、他の家族も「それ何?」と指摘してしまうくらい、見過ごせないほど顕著な目立つ動きだったんです。
その症状が出始めてから3日後くらいから、どんどんその動きの頻度は高くなっていきました。
息子は、肩すくめをする理由として「痒くないんだけど、痒いみたいな感じで我慢できない」と表現していました。
そして、肩すくめをするとそれがスッキリすると。
最初は皮膚の乾燥で実際に痒いのかもしれないと思い保湿を徹底しましたが、当然ながら改善されませんでした。
さすがにおかしい、と思って色々調べて初めて、どうやらチックらしいと言うことが判明。
チックは指摘しないほうがいいと知り、一家で後悔...
その後私や家族から、動きに対しての指摘は一切しないように徹底しました。
やたらと物や人に触るようになった
元々甘えん坊な息子後ですが、肩すくめをし始めた少し後くらいから急に落ち着きがなくなりました。
何かをしている時も、とにかく何かを触りたい様子。
特に、オンラインで受講する習い事をしているときは常に隣に座っている私にまとわりつくような感じ。
レッスン中なんだからやめて、と離すと、今度は無意識に別のものに手が伸びる伸びる。
とにかく何かに触っていたい、じっとしていられない様子でした。
この辺りから、私たち家族はさらに不安を感じ始めます...
鼻炎の時のような「ズゴっ!」という鼻鳴らし
今振り返って思い返せば、肩すくめよりも先に出ていたのは鼻鳴らしかもしれません。
鼻をすするよりも大きくて、固い鼻水を喉の方に下ろしたい時のような音。
これは半年くらい前からかなり頻繁にやっていたけど、鼻風邪引いたかな?くらいにしか思っていませんでした。
しかし当時、祖父が「鼻すすりすぎじゃない?蓄膿症とかかもよ」と言うので一度耳鼻科を受診。
そのときは「風邪症状もないし特に鼻の異常もないから、すするのが癖になっちゃったかな?」と言われ。
そのときは、癖か〜...と思う程度でしたが、今改めて思えば、明らかにチックの一種だったことがわかります。
チック症状が出るきっかけになったと考えられる原因
脳の発達過程の中での一時的なバランスの乱れ
チック症は、以前は「ストレスのせい」とか「親の育て方のせい」など、環境が原因だと考えられていたそうですが、現在はその説は否定されていて、脳の発達過程によるものと考えられています。
確かに、発達途中の子供の脳ですから、何かアンバランスなことが起こっても不思議ではないですよね。
まだ完全には原因が解明されていませんが、子供の脳の発達過程の中で、一時的に神経伝達物質(ドーパミン)の分泌バランスが乱れることで起こるという説が有力です。
大きな幼稚園行事へのプレッシャー
神経伝達物質の分泌の乱れが直接の原因だと書きましたが、確かにストレスがチックが出る引き金となることがあります。
とはいえ、息子は家では好きなことをして過ごし、これと言ってストレス要因になるものも見当たりませんでした。
本人に何か大変なことがあるか聞いても、特にないと答えます。
そんな中、ふと園での様子が気になりました。
「今さ、幼稚園で何か頑張ってることある?」
すると、
「今は合奏発表会の練習してる」
以前から練習しているのは知っていましたが、どうやら症状が出始めた少し前から合奏発表会の練習が本格化しているようでした。
ははーん。これかも...
息子の場合は、幼稚園の一大イベントである合奏発表会にとてもプレッシャーを感じていたようです。
園内ではなく外部のホールを借りて行う、とても大きなイベントで、かなり高いクオリティを求められます。
例年、約3ヶ月間練習をしてとてもレベルの高い演奏を聞かせてくれるので、親としても幼稚園生活の集大成を見られる行事です。
今年は年長として舞台に立つので、先生たちの思い入れもかなり強く、熱心に指導をしているようでした。
息子は背が小さいので立ち位置が最前列に決まったのですが、難しい演奏もさることながら、姿勢についてもかなり指導されている様子。
所詮園児ですから、数分間の演奏の間に足元が乱れることはよくあります。
練習中、毎回誰かが注意され、その都度ピリッとした緊張が走っていたようです。
息子は、自分が注意されたわけではなくても張り詰めた空気を敏感に感じとるタイプ。
毎日練習があるので、本人も気が付かないうちに少しずつ緊張とストレスが溜まっていっていたのだと思います。
時期的にもこれが大きな原因になっているな、とピンときました。
チックの受診は何科?
症状が3つ重なりピークだった頃、不安になって一度受診しようと決めました。
基本的には小児科でいいとのことだったので、アレルギー(花粉症)の薬をもらうついでに相談。
話を一通り聞いた先生は、
確かにチックだと思いますが、一過性だと思います。
症状が複数同時に出ているので「複雑性」になりますが、多分長くても1年以内におさまるんじゃないかなと思いますよ。
多分行事のことで本当に疲れてると思いますから、おうちでは今まで通りリラックスさせてあげてください。
あと、脳内のドーパミンとかセロトニンとかの分泌バランスね。
鉄分とかマグネシウムとか大事ですから、食事でも意識してみてください。
私の中で、複雑性=長引いてトゥレット症に移行してしまうのでは?という不安があったので、先生のこの言葉を聞いて少し安心することができました。
具体的にどんな対策をしたか
なんとなく原因やきっかけが見えてきたので、次はそれを踏まえてどう対策していくかです。
幼稚園の担任に現状を伝えるメールを送った
チック症状は、緊張しているときはあまり症状が出ずに、リラックスしている時に出ることが多いです。
家でのんびりしている時や好きなことをしている時、テレビを見ている時など。
そのため、比較的緊張状態にある幼稚園での様子はどうなんだろうと思い、まずは幼稚園の担任にメールをしてみました。
もし園でも同じ症状が出ているなら、合奏発表会で最前列に座らせるのも迷惑になると思ったからです。
担任に実際に送ったメール文面
○○先生へ。
いつも大変お世話になっております。
最近気になっていることがありメールさせていただきました。
2週間くらい前から急に、肩すくめ?をしながら首を左右に傾ける仕草が頻発し始めました。
「どっか痒いの?」と聞くと、「痒くないんだけど痒い時みたいに動いちゃう、自分では止められない」と言います。
肩を左右交互に上げながら首を傾げるので、クネクネしているように見えると思います。
これはチック症状なのではないかと思うのですが、園でも同様の動きは出ますでしょうか。
家でリラックスしている時や好きなことをしている時に特に出ている感じがするので、もしかしたら園では緊張などあり家ほど出ていないかもしれません。
現在様子を見ているところですが、2週間経過してもおさまる様子がないため園での様子を伺おうと思った次第です。
お忙しいところ恐縮ですが、数日間様子を見ていただき、お手隙の時にメールで構いませんので様子を教えていただけますと幸いです。
お手数をおかけしますが宜しくお願いいたします。
すると、
nyanzuさんへ
お世話になっております。
ご家庭での様子について教えていただきありがとうございます。
現時点で、園では目立ってそのような姿は見ていないので、園ではあまりしていないのかな?と思います。
実際に今日は1日中気にかけて様子を見るようにしていましたが、自由時間などを含めても一度もその様子はありませんでした。
もし今後そのような仕草が見られた場合でも、こちらからは声をかけずに見守っていきたいと思います。
後日改めて、園での様子をお話しさせていただきますね。
予想通り、園では何も症状が出ていないようでした。
ということは、やはり園での緊張感からの開放!で、家で症状が出ているんですね。
園行事にプレッシャーを感じているとはいえ、息子にだけ特別対応してもらうのはおかしな話なので、
とりあえず園で関わる先生方に家での状況を周知しておいてもらうことだけに留めました。
チックの改善に繋がりそうな栄養素の補給
チック症は、ビタミンB郡や鉄分の不足と関係があるようです。
息子は好き嫌いはないですが、とにかく少食で体格も小柄。背の順でも先頭です。
以前一度、グミなどの栄養サプリを試そうかと考えたことがありますが、続けることを考えるとなかなか高価に感じ、結局試していませんでした。
しかし今回は、思い切ってサプリを試してみることに。
今回は身長体重などの成長サポートというよりは、チックの改善に少しでも繋がれば!というのが一番の目的。
買ってみたのはファンケルのビタミンBと鉄分が一緒に摂取できるチュアブルです。
私自身、日頃からファンケルのサプリを利用しているので安心感がありました。
気がついたら約2ヶ月ですっかり症状は出なくなっていた
その後も様子を見ながら1ヶ月半くらい経った頃、あれ?そういえば症状減ってきた?という感じに。
ビタミンB郡と鉄分のサプリは毎日続けていましたが、園の練習でも少し変化があったようです。
本番まで残り2週間になった頃、演奏パートごとに最終練習が始まったらしく、息子のパートはそれなりに完成していてあまり注意されることもないとのこと。
ピリッとした空気ではなくなり、少し安心したのかもしれません。
そして迎えた発表会本番。
それはそれは素晴らしい合奏でした!
息子もやり切った感があり、満足のいく演奏ができたようです。
徐々に症状が出る頻度は減ってきていたものの、発表会が終わって3日後...
嘘のようにチック症状が消えました。
あの心配はなんだったの!?と思うほど、あっけなく消失したんです。
6歳の息子のチックが2ヶ月で治った話 まとめ
長くなりましたが、一過性のチックはきっと終わる時がきます。
最初はこちらがノイローゼになるんじゃないかと思うほどひどい状態でしたが、
脳の伝達物質の分泌バランスを整える栄養素を補いつつ、ストレス要因となるものがなくなる時が来ればきっとまた落ち着く日がきます。
ストレス要因は引き金に過ぎませんが、取り除けるようなストレスであれば取り除いてあげてください。
取り除けないストレス要因であれば、先生など周りの関わる人たちに状況を伝えておくだけでも違うと思います。
幼児期のチックはあまり深く気にしなくて大丈夫。
脳の成長過程だと思いながら、のんびりと様子をみてあげてくださいね^^